クッション付き五本趾靴下を履けば足運びが楽になる
クッション付き五本指靴下(三色 ブルー,ピンク,グレー)実用新案:3212230号
実用新案登録登録番号:第3212230号
お詫び:今まで5つの動画をアップしていたのですが、トラブルが多いため、2つ削除しました。容量を増やようにする準備をしていますので、準備完了次第すべての動画をアップします
ビデオ1:クッション付き五本指靴下の履き方
ビデオ2:靴下を履きながら筋トレをする
ビデオ3:戸田の研究結果
年齢の変化によって女性はО脚変形になってきます。О脚になると、脚を内側に回すように歩きます。脚を内側に回すとそれにつられて足も内側に回ります。そのため、足の親指にかかる重心がかかるので外反母趾が強くなり、足の裏の横向きのカーブが押しつぶされます(清水新悟ほか:靴の医学.24: 90-93,2011)。その状態で我慢して歩いていると、ひざの治療によって膝の痛みが楽になった後にも外反母趾と横軸アーチの低下は残り、それが歩行困難の原因となり、脚の筋力を低下し、ひざにかかる負担が増え、また膝が痛くなるという悪循環が生じます。だから、長い間膝の痛みのある患者さんでは外反母趾や足の横アーチの矯正も必要となります。
新潟福祉大学の藤井先生らの研究では、外反母趾の角度が大きくなると他の足の趾(ゆび)が横から押されて浮き趾になり、足が床に接着する面積が少なくなっていました(藤井利夏ほか:義肢装具自立支.4:175-178,2014)。でも、西本整形外科の森實先生らの研究では、足の裏にクッションを当て足の横アーチを元に戻すとつま先に力が入りやすくなり、階段の上り下りが楽になりました(森實一美ほか:日臨整誌.35:117-121,2010)。また、大手町病院の福永先生の研究では、変形性ひざ関節症の患者さんに足の趾でタオルを引き寄せる運動をして足の筋肉を鍛えると足のゆがみが少なくなりました(福永亜希:理学療法福岡 20:113-115, 2007)。先述の藤井先生の研究では、浮き趾の人が5本趾の靴下を履くと外反母趾の角度が減り、趾の筋肉が良く動き、足が床に接着する面積が大きくなり、歩く時の蹴り出す力が強くなり歩き方が安定するという結果がでました。だから、外反母趾のある女性は、中趾の付け根にクッションを当てた五本趾靴下を履いて、足の趾でタオルを引き寄せたり、ペットボトルのキャップを足の趾で掴むなどの足の趾の筋トレをして、外反母趾や浮き趾の進行を防ぎましょう。
クッション付き5本趾靴下で外反母趾の痛みが改善する
僕の研究では21人の外反母趾の患者さんに1日2回ペットボトルのキャップを趾で掴む足の趾の筋トレをしてもらいました。21人の中で10人の患者さんには中趾クッション付き五本趾靴下を履いてもらい、11人の患者さんには土踏まずにクッションのついた扁平足を治す靴下を履いてもらい、そして2週間後の足部機能指数の改善を比べてました(Budiman-mak E et al: J Clin Epidemiiol 44:561-570,1991)。足部機能指数とは、家の中を歩く、家の外を歩く、1km歩く、階段を上がる、階段を下る、つま先立ち、椅子から立ち上がる、坂道を上る,早く歩くの痛みを10段階(0点:全く痛くない、9点:全然できない)で点数にしてもらった合計点数です。
その結果、クッション付き五本趾靴下を履いた10人ではでは平均18.4点も足部機能指数が改善しましたが、土踏まず支え付き靴下を履いた11人では平均2.3点しか改善せず、クッション付き五本指靴下の方が統計学的に明白に優れていました。
このように、クッションで横アーチを矯正し、五本趾靴下を履きながら足の筋肉を鍛えることによって、5本の趾で均等な蹴り出しができるようになり、足の痛みも和らぎます。
まず5本趾を入れてから履くのがコツ!
「5本趾の靴下は履きにくい」という方が時々おられますが、まず5本趾を靴下先に入れてから引っ張ると比較的楽に履けます。
趾の分かれたソックスを履いてしなければ、外反母趾の筋トレは効果が少ない
外反母趾を自分で治す方法は、親趾が外側に傾かないように、内側に引っ張る力を鍛えることです。そのためには両方の母趾にゴムバンドをかけ、引っ張り合う方法などがあります。しかし、関西医療大学の吉田先生らの研究では(吉田隆紀ほか.理学療法科学.31:857-863,2016)外反母趾の形を真っ直ぐに戻すような靴下を履きながら運動療法をした患者さんでは外反母趾の角度が矯正されましたが、運動療法だけを行った患者さんでは矯正されなかったそうです。僕は外反母趾の筋力トレーニングをするときにはクッション付き5本指靴下をお薦めしています。